教育思想 エレン・ケイ
スウェーデンの思想家でもあるエレン・ケイは、新教育運動の発端ともなった人であり、著作「子どもの世紀」(児童の世紀)で広く世界に影響を与えました。
彼女の教育思想の特徴は、国家の一機関として人的資源を生産する学校を否定し、子ども自身の成長・発達を重視した学校改革を訴えたことにあるでしょう。この主張は後に広がる運動の骨子とも言える部分であり、多くの学校改革・教育改革の主張に取り入れられています。教授手法としては子供自体を対象にしてあれやこれやと行うのではなく、出来うる限り子どもを取り巻く環境に対して手を加えて、子どもが自然と生活の中で学び、成長していく手助けをするというルソーの「エミール」から連なる手法を主としています。教授方法としても、「実物主義」、「自学自習」を重視しており、のちの改革運動にもつながっていく主張となっています。
また彼女は、母権を強く主張する女権論者でもあり、子どもとの関わりの中では家庭という環境を強く重視する傾向があります。女権運動の人でもあるのですが、その主張は家庭から解き放たれたリベラル的なフェミニズムを否定し、どちらかと言うと母という存在の本来的な地位の高さを強調しています。
主張の中に優生学的な部分も持っているため、すべての主張を今日受け入れるのが難しい部分も有りますが、現在も尚実現されたとは言い難い「児童中心」の学校、学習を強く主張した彼女の論は、大いに参考にすべき部分を多々持っています。
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